フォルクスワーゲン(VW)は9日、欧州市場向けに新型SUV「Tayron(対論)」を発売した。オプションで最大7人乗りにもなるほか、プラグインハイブリッドモデルでは最長850㎞のロングドライブも可能という。14日に開幕するパリモーターショーで初公開する。
新型タイロンは全長約4.8mで、欧州ではフォルクスワーゲンのなかで「トゥアレグ」に次ぐ2番目に大きなSUV。原則5人だが、オプションで7人乗りのシートも用意し、最大2.5トンの大型トレーラーを牽引できる。パワートレーンは多彩で、マイルドハイブリッドとプラグインハイブリッド、ガソリンとディーゼルエンジンを設定。マイルドハイブリッドドライブ(eTSI)を搭載した全バージョンを発売した後、プラグインハイブリッドドライブ(eHybrid)を2種類、ターボチャージャー付きガソリンエンジン(TSI)を2種類、ターボチャージャー付きディーゼルエンジン(TDI)を発売する予定だ。なかでも、プラグインハイブリッドモデルはシステム出力で150 kW(204 PS)と200 kW(272 PS)の2種類があり、19.7 kWh(純容量)のバッテリーにより100km以上の電気走行を可能にした。
主に3つのモデルラインナップを揃え、エントリーレベルパッケージ「ライフ」と、2つの最上級パッケージ「エレガンス」「R-Line」で、幅広いニーズに応える。充実した運転支援システムも特長で、アダプティブクルーズコントロール(ACC)はもとよりコーナリング時の対向車ブレーキ機能、レーンチェンジシステム(Side Assist)、車線維持システム(Lane Assist)、歩行者および自転車モニター付き自動緊急ブレーキシステム(Front Assist)、パークアシストプラス、リアビューカメラシステム、動的ロードサインディスプレイ、新しい出口警告システムを備える。このうち、車線変更システムの拡張機能として、後方から他の道路利用者が接近している場合、システムが制限内でドアの1つが開くのを防ぐことができる装備も採用した。
「新型タイロン」は10日から注目予約を始めたほか、14日から20日までパリで開催される「モーターショー」で初公開する。価格は4万5,475ユーロ(約739万円)から。
フォルクスワーゲンのトーマス・シェーファー乗用車部門CEOは、「新型Tayronにより、成長を続けるセグメントにおける当社のラインナップをさらに拡大し、ベストセラーのティグアンと高級SUVのトゥアレグのギャップを埋めることができる」と述べ、営業担当のマーティン・サンダー取締役は「新型Tayronは、フォルクスワーゲンが象徴する多用途性、快適性、そして新技術を持ち、最大7人乗りのシートと高級感あふれるインテリア、広々とした収納スペース、革新的な駆動システムを備えたファミリー層にとって理想的なパートナーとなるだろう」と話した。(2024年10月11日)