スウェーデンの車載電池メーカー、ノースボルトの経営危機が正念場を迎えているようだ。9月には従業員の5分の1を解雇し、10月には子会社の「Ett Expansion AB」の破産申請を行った同社だが、18日までに米連邦破産法第11条、いわゆるチャプター11の申請準備に入ったと伝えられた。関係先による資金調達交渉が断続的に続いている模様で、実際にチャプター11を申請できるかも不透明なようだ。
米チャプター11適用申請の可能性を議論
ロイターによると、ノースボルトは米国で連邦破産法第11条の適用を申請する可能性について議論していると2人の情報筋がロイターに語った、と報じた。同社は、連邦破産法第11条の適用可能性についてコメントを控えているという。しかし、スカニアなどが同社に対する資金調達について交渉しているものの難航しており、破産を回避した事業再建となるチャプター11申請にまでこぎつけることができるかは微妙な情勢とみられている。
6月にはBMWからの受注契約を失う
ノースボルトは今年6月、生産上の問題でBMWからの20億ユーロ(約3,400億円)の契約を失った。しかし、こうした状況は改善しないままで、同社は化学エネルギーを貯蔵、電気へと変換するユニットであるバッテリーセルの生産課題に引き続き直面しているという。ロイターによると、10月21日からの1週間で出荷可能な2万2千個のセルを納品しただけで、目標の3万個には達しなかった。
同社は事業再構築にも取り組み、9月には建設プロジェクトを担う子会社の「ノースボルト・ETTエクスパンション社」の活動を休止した。しかし、それからわずか1カ月で同社の破産をストックホルム裁判所に申請した。(2024年11月19日)