• 2024-12-23

フォード、欧州で人員削減など事業再構築案を発表

フォードモーターは20日、欧州での事業再建策を発表した。主にドイツと英国で従業員4千人を削減する。電気自動車(EV)需要が予想よりも低調であることを理由に、「新型エクスプローラー」などの生産調整を行う。

フォードは「世界の自動車業界は混乱期が続いており、とくに欧州では業界がかつてない競争、規制、経済の逆風に直面している」と指摘。主にドイツと英国の従業員数を2027年末までに4千すると発表した。電動化への取り組みは堅持しながらも、近年多額の損失を計上している欧州での乗用車事業の立て直しを急ぐ方針を打ち出した。

具体的には、人員削減のほか独ケルン工場で2025年第1四半期に追加の時短を行い、生産調整する。対象となるのは「新型エクスプローラー」と「カプリ」。 フォードの欧州部門で変革と提携を担当するデイブ・ジョンストン副社長は、「フォードが欧州で将来にわたって競争力を維持するためには、困難ではあるが断固とした行動を取ることが不可欠だ」と話した。

同日、フォードのジョン・ローラー副会長兼最高財務責任者が独政府宛てに書簡を送り、「欧州と2035年の排出量目標に対するフォードの取り組みを改めて表明した」ことを明らかにした。ローラー副会長は「欧州やドイツで欠けているのは、充電インフラへの公的投資、消費者が電動車両への移行を促進するための有意義なインセンティブ、メーカーのコスト競争力の向上、CO2排出量規制目標達成に向けた柔軟性の拡大など、eモビリティ推進のための明白かつ明確な政策アジェンダだ」と指摘、EV普及への政府の後押しが欠かせないと明言した。(2024年11月21日)