ルノーグループの電気自動車(EV)メーカー、アンペアは3日、STマイクロエレクトロニクスとシリコンカーバイド(SiC)パワーモジュールの供給契約を結び提携した、と発表した。2026年からの複数年契約で、EVのパワートレインとバッテリー管理の高効率化を進める。
供給するのは炭化ケイ素用の長寿命電源を備えたパワーボックスで、ルノーとSTマイクロエレクトロニクスは複数年契約を結ぶ。パワーボックスの主要素であるパワーモジュールの最適化に向け両社が共同で取り組むほか、インバータ用のパワーボックスと冷却システムでも提携し、アンペアの新世代電気モーターの効率向上をめざす。
アンペアの電動化戦略を加速
アンペアのパワートレイン・EVエンジニアリングを担当するフィリップ・ブリュネ副社長は、「この合意は、STマイクロエレクトロニクスとの集中的な作業の成果で、上流工程で協力することで、当社の電気パワートレインの主要コンポーネントの最適化と安定供給を実現し、航続距離が長く充電時間の最適化された高性能EVを提供することが可能になる」と話す。
ケイ素チップで構成するパワー・モジュールは、バッテリーからの電気を管理し、電気モータを駆動するための電力に変換。パワーモジュールは、電気パワートレインとバッテリ・レンジの効率性やエネルギー回生機能において重要な役割を果たしており、今後15分以内に10%~80%の急速充電を可能とするなどSTとのパワーモジュール開発の強化で電動化戦略を加速させたい考えだ。(2024年12月3日)