
ルノーグループは11日、昨年5月に始めたWeRide社との公道での自動走行実証実験が欧州各地に広げる、と発表した。10日からはスペインのバルセロナで2台の自律型電気ミニバスを使用し、またフランスのバレンシアでは約1カ月間同様の実験を実施した後、レベル4の自動シャトルの商業サービスは今年7月から始める予定だ。折しも同日、日産自動車も横浜で都市部におけるレベル4の公道実証実験をスタートした。ルノー・日産グループの自動運転車開発が歩調を合わせて取り組まれているようだ。
日産も横浜で同様の実証実験を発表
ルノーグループは昨年5月に、WeRide社と公道での自動走行実証実験を始め延べ1,000㎞、計約700人の乗客輸送を達成した。同社では「この初のフルスケールテストは、技術の成熟度と、この乗客輸送ソリューションの妥当性を実証した」とし、欧州の他都市でも同様の実験を相次ぎ実施する計画だ。
仏バレンシアでは7月から商業サービス展開も
バルセロナでは3月10日から14日まで、ルノーグループとWeRideでバルセロナ中心部の公道を使って2.2㎞のープ走行を行う。2台の自律型電気ミニバスを使用し、一般市民に「明日の都市モビリティを体験してもらう」考えだ。同実験では、人口密度が高く複雑な都市環境における自律型シャトルの開発を通じて、自動化された公共交通サービスのための新技術の成熟度を実証したい考えだ。
また、仏バレンシアでも3月10日から4月19日まで同様の実験を行った後、レベル4の自動シャトルの商業サービスは2025年7月から開始する。ベティ(フランスの民間公共交通機関運営会社)、マシフ(車両の保険会社でベティのパートナー)、ウィライド、ルノーグループは、フランス・ヴァランスで、TGVの駅と周囲の162ヘクタールのビジネスパーク内の多くの施設を結ぶ、自動移動ネットワークを展開するとしている。2台のシャトルで3.3㎞の一般道ルートを奏功し、ヴァランスTGV駅の利用者や150社3,000人の従業員を対象に、駅とその遠隔地にある駐車場やビジネスパークのケータリングハブへのアクセスを試す。
スイスのチューリッヒ空港では今年1月から、高いセキュリティ要件が求められるプライベートエリアを特長とする従業員のターミナル間移動を試している。自律走行技術が複雑な環境下でも機能し、空港のような高い安全性と信頼性が求められる場所でも利用できることを実験している。
日産は2027年度にもサービス運用計画
今なおルノーが資本参加する日産でも同日、同様の自動運転に関する発表を行った。今秋にも、横浜で「セレナ」をベースにした実験車両20台を用いて実施する。同社では2年後の2027年度にも自動運転レベル4によるサービスを実施したい意向だ。(2025年3月11日)