• 2025-06-26

ボッシュ、2年間でAIに25億ユーロ以上を投資。自動運転関連分野の売り上げ倍増へ

ボッシュは24日、シュトゥットガルトで「ボッシュ・テックデイ2025」を開催し、AI(人工知能)分野をこれからの成長ドライバと位置づけ2027年末までの2年間で25億ユーロ(4,230億円)以上を投資するとともに、AIを活用した自動運転ソリューションをけん引役に2035年までに同分野だけで現実績の倍増となる100億ユーロ(1兆6,900億円)を上回る売り上げをめざす方針を打ち出した。

ステファン・ハルトゥング会長とターニャ・ルッカー取締役が登壇。ハルトゥング会長は「AIの革新は技術の新章を開き、イノベーションの開発を加速し、これらをビジネスに転換する可能性を拓く」と述べ、ルッカ―取締役は「エージェント型AIは、スマートフォンがインターネットにもたらしたような変革をAIにもたらす可能性がある」と指摘した。

ボッシュはAIを活用し、支援運転と自動運転分野を強化したい考えだ。2030年代半ばまでに、ソフトウェアとセンサー技術、高性能コンピュータ、ネットワークコンポーネントの売り上げを2倍以上に拡大し、100億ユーロ以上としたい意向だ。車両技術へのAI搭載と同時に、AIで新製品の開発期間を大幅に短縮させる。車両センサーデータのユニークなデータベースを活用し、生成型AIソリューションにデータを供給することで、システムを効率的に訓練させ、より信頼性の高い運転支援システムや自動運転機能の実現がめざすという。

製造分野でも「エージェント型AI」として、独自の判断で行動できるAIを活用していく方針だ。AIと人間がチームを組んで「マルチエージェント」と呼ぶ工程管理システムを構築し、そのメンテナンス要件などで人的体制の最適化を図るなど生産性の革新的な向上につなげたい考えだ。

ボッシュでは、こうした製造分野でのAI活用を自社工場だけでなく外販する計画だ。今秋から他社向けにプラットフォームを提供し始める。これにより、数百万ユーロのコスト削減が可能になる点をアピールし売り込む

また、従業員のAIスキル向上にも注力する。すでに2019年から、AIアカデミーで6万5千人以上の従業員を育成、AIスキル開発を推進している。(2025年6月25日)