
ボルボ・カーズは30日、中国・吉利汽車と、傘下ブランド「Lynk & Co」の欧州事業に関する覚書(MoU)を締結した、と発表した。ボルボは欧州におけるLynk & Co車の独占インポーターとなり、販売およびブランド運営を担う。既存のディーラーネットワークを活用し、同ブランドの成長加速と自社の収益機会拡大を図る。
吉利と覚書、既存網で拡販加速
今回の枠組みでは、ボルボの販売店網を通じてLynk & Co車を販売するほか、アフターサービスも同社の既存システムに統合する。販売・整備の双方で効率化を進め、ディーラーの稼働率向上や在庫回転の改善など、商業オペレーション全体でのスケールメリット創出を見込む。ボルボにとっても、新たな車種投資を伴わずに顧客層を広げる手段となる。
Lynk & Coは2016年に設立され、サブスクリプション型やオンライン直販を組み合わせた販売モデルで欧州に進出してきた。グローバルでは累計数十万台規模の販売実績を持つが、欧州では販売拠点やサービス網の不足が成長の制約となっていた。従来型メーカーに比べ、アフターサービス体制の整備や顧客接点の拡充に課題を抱えていたとみられる。
こうした中、ボルボの広範なディーラーネットワークと整備インフラを活用する今回の提携は、Lynk & Coにとって販売チャネルの質・量の両面での強化につながる。既に一部地域では両ブランドを同一店舗で扱う取り組みが進んでおり、今回の合意はそれを欧州全域へ拡張するものだ。
ボルボのエリック・セベリンソン最高商務責任者は「当社の商業基盤を活用し、Lynk & Coの成長を後押しする。同時に、より幅広い顧客層にリーチできる」とコメントした。両ブランドは価格帯や顧客層が異なり、相互補完が期待できる。
開発や認証など欧州以外の事業は引き続き吉利側が担う。欧州では販売・サービス機能をボルボに集約することで、ブランド運営の効率化と市場浸透の加速を図る。EVシフトと価格競争が進む欧州市場では、既存の販売網を軸に複数ブランドを束ねる戦略が重要性を増している。ボルボとLynk & Coの連携強化は、その典型例といえそうだ。(2026年3月30日)