
JLR・ジャガーは12日、次世代の電気自動車(EV)「Type 01」の内装を初公開した。車内を前後に貫く「セントラルスパイン」を設け、4人の乗員それぞれを独立した空間で包み込むように設計した。Type 01はジャガーが進めるブランド再構築後初となる量産モデルで、専用EVプラットフォーム「Jaguar Electric アーキテクチャー(JEA)」を採用した高級4ドアGT。10月6日に米ニューヨークでワールドプレミアを予定している。
4座を分けるセンタースパイン採用、10月6日にニューヨークで全容公開
Type01は歴代の名車を受け継ぐ名称の「Type」と、走行時の排出ガスゼロを意味する「0」、そして新世代ジャガーの第1号車を意味する「1」で命名したという。英国で設計・開発・生産する。車内中央を前後方向に走るセントラルスパインが印象的で、一般的な自動車のインテリアがダッシュボードを中心とした横方向の広がりを強調するのに対し、Type 01では車体の長さを意識させる縦方向の造形を採用したという。これにより、4つの座席をそれぞれ独立した空間として演出している。

運転席は低い着座位置とし、ドライバーを包み込むような設計とした。ジャガーはGTらしい運転姿勢と安心感を両立すると説明する。素材にも独自性を持たせた。内装色は天然石のトラバーチンから着想し、セントラルスパインやドア上部には真鍮を思わせる仕上げを採用。職人が手掛ける織物を想起させる質感も取り入れ、デジタル化だけではなく素材そのものの触感を高級車の価値として打ち出した。今後、このコンセプトカーで示した考え方を量産モデルに生かしていく方針だ。
トーマス・ホールデン・チーフインテリアデザイナーは、一般的な横方向の室内デザインとは対照的に「セントラルスパインによって劇的な縦方向の構造を強調した」と説明。素材や必要な時だけ現れるテクノロジー、簡潔な曲面によって「未来のモダンラグジュアリーの室内を定義する」としている。
インフォテインメントについても、大型ディスプレーを室内の主役にする近年のEVとは異なる方向を打ち出した。薄型ダッシュボードにデジタル機能を組み込み、必要な時に必要な機能を呼び出す「technology on demand」の考え方を採用した。フロントガラス下部中央には、カメラ映像を表示する「ClearSight Rear View Display」を配置した。左右のドアミラーとほぼ同じ高さに置くことで、運転時の視線移動を抑える。
収納スペースや一部のデジタル機器は通常時には隠し、必要になった時だけ現れる構造とした。ジャガーが掲げる新たなデザイン思想「Exuberant Modernism(活気あるモダニズム)」を内装にも反映したという。
ジャガーのロードン・グローバー・マネージングディレクターは「Type 01は新しいクリエーティブ哲学を採用する最初の量産車」と位置付け、「走りから外観、乗員が感じるものまで、すべての移動を特別な機会にしたい」としている。
専用EV基盤「JEA」採用、従来の高級車とは異なる室内設計を前面に
Type 01はジャガー専用に開発したJEAを採用する最初の量産車となる。既存車をEV化するのではなく、車体のプロポーションや走行性能、乗員空間をEV専用設計によって一から構築する。
ジャガーは近年、量販プレミアムブランドから、より価格帯の高いラグジュアリーブランドへの転換を進めている。Type 01はその戦略を具体化する最初の商品となるだけに、デザインだけでなく価格設定や航続距離、動力性能が市場にどこまで受け入れられるかが焦点となる。Type 01の試作車は米カリフォルニア州で開催中の「モントレー・カー・ウィーク」で新たなカモフラージュを施して北米初公開する。16日の「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」にも登場する予定。量産モデルの詳細は10月6日にニューヨークで発表する。(2026年8月16日)