• 2025-08-03

ポルシェは7月30日、欧州委員会と米国政府との関税合意を受けて、2025年の通期業績見通しを下方修正したことを明らかにした。同日行った今年上半期(1~6月)の業績説明に合わせて明らかにしたもので、通期の売上利益率が当初の6.5%から5%にまで低下する可能性があるとした。トランプ政権は8月からEU製品の米国へ30%の輸入関税を導入する方針を示していたが、7月27日にトランプ米大統領と欧州委員会のフォンデラ・ライエン委員長が英スコットランドで会談、欧州品の米国の輸入関税を15%とすることなどで合意した。

ポルシェは、「前回の予測にまだ含まれていなかった6月以降に実施されている関税効果を考慮に入れた」とし、8月1日から予想される15%の輸入関税と「価格調整などの潜在的な対策が含まれている」見直しを行った。具体的には、グループの売上高を前回予想と同じく370〜380億ユーロの範囲に据え置きながら、売上利益率を5%、自動車の純キャッシュフローマージンが3%になると予想。一方、範囲の上限では売上利益率は7%、自動車純キャッシュフローマージンは5%になると見通した。上限予測は今年4月末の第1四半期発表時に示した見通しと同じだが、下限予想は下方修正した格好だ。同社では、トランプ関税による影響額約13億ユーロ(2,200億円)に上るとしている。

ポルシェの今年上半期の業績は、営業収入が181億5,700万ユーロ(3兆768億円)で、前年同期比6.7%減にとどまり、営業利益は同67.1%減の10億700万ユーロ(1,706億円)と3割以上落ち込んだ。売上利益率は5.5%で前年同期の15.7%の3分の1になった格好だ。期中の販売台数は前年同期比6.1%減の14万6,391台で、地域別では北米が同10.1%増の4万3,577台と伸ばした一方、欧州は同13.6%減の5万1,354台に、中国は同27.9%減の2万1,302台に減った。(2025年8月2日)