
独自動車部品大手ZFの事業部門ZF LIFETECは3日、折り畳み機構を備えた「変形可能なステアリングホイール」を発表した。9月9日から12日にミュンヘンで開催される国際モーターショー「IAAモビリティ」で初披露される。
自動運転を見据え車内空間の再定義
新型システムは電気機械式の駆動ユニットを搭載し、約2秒でリム部分を下方に折り畳むことができる。自動車メーカーはこれをダッシュボード内に収納する設計が可能となり、自動運転モードや駐車時には車内空間を仕事や休息の場へと転換できる柔軟性が生まれる。
ZF LIFETECの研究開発責任者ハラルド・ルッツ氏は「変形可能なステアリングホイールは、手動運転と自動運転をシームレスに接続するコンセプトだ。従来の操作性を維持しつつ、インテリア設計の自由度を拡大する」と述べた。
同製品は従来の操作機能を保持しながら、運転席用エアバッグをセンターハブに統合。ステアリングを、車両と乗員の新たなインターフェースへと進化させているのが特長だ。自動運転技術の普及を背景に、自動車内装分野では快適性や空間効率を重視した新提案が相次いでおり、ZFの動きはクルマの新たな形のひとつとして注目を集めそうだ。(2025年9月3日)