
ドイツの自動車部品大手ZFフリードリヒスハーフェンは11日、経営陣人事の刷新を発表した。ホルガー・クラインCEOが9月30日付で退任し、後任には電動パワートレイン部門を統括するマティアス・ミードライヒ氏が就任する。あわせて、商用車ソリューションや産業技術、生産・資材管理を担当するペーター・ライアー氏も退任する。
ミードライヒ氏が新CEOに
クライン氏は2014年からZFで要職を務め、2023年にCEOに就任。収益性改善や構造改革に取り組み、業績の立て直しに一定の成果を挙げた。同氏は「再生の道筋が見えた今こそ、次世代に経営を託す適切な時期」と述べた。ライアー氏の退任については「将来戦略を巡る見解の相違」が背景にあるとされる。
監査役会のロルフ・ブライデンバッハ会長は「クライン博士は戦略転換の礎を築き、チーム全体で成果を出した」と評価。新CEOに任命されたミードライヒ氏については「電動化領域の再編を主導し、決断力と実行力を兼ね備えた社内後継者」と期待を示した。
自動車産業は電動化とソフトウェア化が加速する転換期にあり、ZFも競争力強化が急務となっている。同社は今後、電動パワートレインや商用車技術の開発投資を進め、収益性と成長性の両立を図る方針だ。後任人事の詳細は近く発表される。(2025年9月11日)