
中国・吉利グループ傘下の高級BEVメーカーのLynk & Co(リンク・アンド・コ―)は、独高級チューニングメーカーHEICO SPORTIVと提携し、欧州市場におけるブランド力強化を狙う。完全電動SUV「Lynk & Co 02」やプラグインハイブリッド「08」「01」を対象に、限定的なカスタマイズプログラムを導入する。
今月8日、IAAモビリティ2025に合わせてミュンヘンで行われた記者会見で、両社共同で開発した「Lynk & Co 02 HEICO」が初公開された。専用サスペンションや21インチホイールを採用し、外観と走行性能を強化。架装部分の販売価格は約6,600ユーロ(VAT税込)とされ、メーカー保証を維持したままプレミアム志向の顧客に訴求する仕様となっている。
価格は6,600ユーロ
Lynk & Coは「車を個性の表現手段と位置づけ、デジタル機能に加えて外観・質感の面でも選択肢を拡充する」としており、HEICOとの提携をパーソナライゼーション戦略の一環と位置づける。欧州市場においてはすでに22カ国で展開しており、今後も特別仕様車を順次投入する方針だ。
一方、HEICO SPORTIVはボルボ車向けチューニングで知られる老舗で、Lynk & Coの親会社である吉利グループとも接点を持つ。同社にとっては新たな収益機会となるほか、ブランドの高級化路線を後押しする狙いがある。
欧州市場では電動化競争と差別化戦略が同時進行するなか、Lynk & Coは「量から質」への転換を図る姿勢を鮮明にした形だ。顧客の購買動機を「性能」から「体験・個性」に広げることで、競合ブランドとの差別化を進めるとみられる。(2025年9月19日)