• 2025-10-31

イベコ・バス、仏イル・ド・フランスに最大4000台のクリーンバス供給へ 2030年までに全車両を脱炭素化

伊イベコ・グループ傘下のバス大手イベコ・バスは30日、仏イル・ド・フランス地域交通公社(IDFM)とクリーンエネルギー車両の大規模供給に関する3件の枠組み契約を締結した、と発表した。契約総数は最大4千台にのぼり、2030年までに同地域のバスを100%クリーン車両へ移行する計画を支える。

契約は公共交通調達機構(CATP)を通じて締結されたもので、12メートル級電動バス「GX 337 ELEC」、12・18メートル級バイオガス燃料バス「URBANWAY CNG」、および中距離用の「CROSSWAY CNG」の3モデルが対象。納入は2026年から段階的に始まり、初年度に569台を投入する。契約期間は2032年までを見込む。

電動バス「GX 337 ELEC」は2020年以来、フランスで最も販売台数の多い都市型電動車で、CNGモデルは廃棄物由来のバイオメタン燃料に完全対応。CO₂排出実質ゼロ運行を実現する。全車に先進運転支援システム(ADAS)を搭載し、安全性と快適性を高めた。

IDFMのヴァレリー・ペクレス会長は「2016年から進めてきた交通革命が最終段階に入った。イル・ド・フランスを世界初の完全クリーンバス地域とする」と述べた。イベコ・バス欧州事業責任者ジョルジョ・ジーノ氏は「今回の協定は当社の電動・バイオガス技術が地域のエネルギーミックスに貢献している証左だ」と強調した。

IDFMは約1万500台を保有する欧州最大のバス・コーチ運行組織。今回の契約は、仏公共交通分野における脱炭素化モデルとして注目されている。(2025年10月30日)