• 2025-12-10

アウディ、コミュニケーション部門トップを交代 ストルンツ氏を新副社長に任命 アーノルド氏は年末で退任

Carolin Strunz will take over as Head of Audi Communications on January 1, 2026.

アウディは9日、グローバルコミュニケーションおよびコーポレートアフェアーズ担当副社長にキャロリン・ストルンツ氏が2026年1月1日付で就任する、と発表した。ストルンツ氏はアウディCEOゲルノット・デルナー氏に直接報告する。現職のダーク・アーノルド氏は17年以上にわたる在籍を経て、年末で退任する。

アーノルド氏は新型コロナのパンデミック、ウクライナ戦争、そしてアウディ自身の変革期にあって広報・渉外の最前線を担ってきた。デルナーCEOは「冷静な判断力と戦略的専門知識でアウディの評判を守り抜き、ブランドメッセージを近代化した」と評価。危機時のメディア対応や主要関係者との対話構築、製品訴求での貢献にも言及し、「正当な退職を心から祝したい」と述べた。

アーノルド氏は2018年からグローバルコミュニケーション責任者を務め、後に政府関係や対外関係も統括。アウディでの最初の在籍(1992〜2002年)ではドイツ市場のマーケティング責任者を務め、その後BMWで米国を含むコミュニケーション領域の管理職を歴任した。

後任のストルンツ氏は、技術・製薬・ライフサイエンス産業を中心に、企業コミュニケーションとパブリックアフェアーズで20年以上の国際的経験を持つ。直近ではシンジェンタ・グループでグローバル思想リーダーシップおよびエグゼクティブコミュニケーションを統括し、経営陣の世界的な発信力強化を主導した。また、キャリア初期には自身のコンサルティング会社を率いたほか、NGOのストリートフットボールワールド、広告代理店Scholz & Friendsでも経験を積んだ。ジュネーブ大学院で国際交渉と政策立案のエグゼクティブ修士号、フリブール大学でコミュニケーション・ジャーナリズム・国際関係を学んでいる。

デルナーCEOは「世界的競争力を維持し続けるためには、社内外の明確で信頼性あるコミュニケーションが不可欠だ」と語り、ストルンツ氏の戦略性と業界横断の経験に期待を示した。「彼女のリーダーシップのもと、アウディは市場変化や地政学的課題に受動的に対応するのではなく、それらを能動的に形成する役割を果たす」と述べた。アウディは電動化・デジタル化・ブランド再構築を進めており、グローバルコミュニケーション体制の刷新は変革を後押しする狙いがある。(2025年12月10日)