
ルノーは7日、今年発売する小型電気自動車(EV)「トゥインゴ E-Tech エレクトリック」を軸に、欧州各地で体験型イベントを展開する、と発表した。同社では商品の発表にとどまらず、デザイン、都市型モビリティ、スポーツ・文化イベントを横断的に組み合わせることで、電動化時代のブランド接点を拡張する狙いだ。
9〜18日に開催されるブリュッセル・モーターショーで、昨年11月の車両公開から始まり12月の価格公表に続く形で、同モデル初の一般公開に臨む。会場では、後席の独立スライドや最大360リットルの荷室、2メートル級の長尺物を積める助手席可倒機構など、実用性を前面に訴求する。なかでも注目は、欧州スタートアップと協業した派生企画「トゥインゴマニア」という。電動スケートボードや電動自転車、電動スクーター、電動バイク、マリン向け電動モーターなど6点を展示し、車両デザインのモチーフを共有する“都市の電動ライフスタイル”を提案する。車の販売促進にとどまらず、周辺モビリティまで含めた世界観づくりを進める点が特長だ。

春以降は舞台を仏パリへ移し、シャンゼリゼ通りのブランド拠点「ル・デフィレ・ルノー」で「トゥインゴ・エキスポ」を開催。初代モデルの系譜と最新EVを重ね合わせた体験型展示を、夏まで継続する。6月には音楽イベント「トゥインゴ・フェスティバル」も予定し、若年層や都市生活者との接点拡大を図る。
メディア向けには国際試乗会を実施。新開発の小型EV向けプラットフォーム「AmpR Small」を採用し、60kWモーター、27.5kWhのLFP電池、航続距離263km(WLTP)を組み合わせる。価格は欧州で1万9,490ユーロからと、補助金前提ながら“手の届くEV”を掲げる。さらに同社は、5年連続でプレミアムパートナーを務める全仏オープンにも同モデルを投入。モータースポーツではなく、テニスの国際大会という文脈で都市型EVを露出させる戦略が際立つ。
電動化の進展で商品差が縮まるなか、ルノーは「価格」「実用性」に加え、「体験」と「世界観」を競争軸に据える。トゥインゴE-Techを通じた一連の取り組みは、AセグメントEV市場における新たなマーケティングモデルとして注目されそうだ。(2026年1月7日)