
新車販売の大半を電気自動車(EV)が占める世界有数のEV先進国ノルウェーで、2026年1月の新車登録台数が前年同月比で大幅に減少した。EV向け税制優遇の見直しを控えた2025年末の駆け込み需要の反動が主因とみられ、普及促進段階から政策正常化へ移行する同国の電動化戦略の転換を映している。
「販売減は一時的」との見方も
ノルウェー政府は2026年からEV優遇策の段階的縮小に着手した。柱は付加価値税(VAT)の扱いの見直しで、従来は原則免除としていたEV購入について、非課税対象価格の上限を引き下げた。これにより一定価格を超える部分には25%のVATが課され、比較的価格帯の高いEVだけでなく中価格帯モデルにも実質的な税負担が生じている。 政府は将来的にEVのVAT免除を全面廃止する方向も示しており、登録税や道路関連税などの優遇措置についても段階的縮小を検討する。EV普及率がすでに極めて高い水準に達したことで、財政負担の抑制と政策の「出口戦略」が意識され始めた形だ。
ノルウェー道路交通情報評議会(OFV)によると、2025年の新車登録台数は17万9550台と前年比約40%増の過去最高を記録し、EV比率は95.9%に達した。税制変更前の駆け込み需要が年末に集中したことも、今回の反動減の背景となっている。市場関係者の間では販売減は一時的との見方が多いが、購入コストの上昇が今後の需要を緩やかに抑制する可能性も指摘されている。
世界に先駆けて電動化を進めてきたノルウェーの政策転換は、補助金依存から市場自立へ移行する段階に入ったことを示唆する。EV普及後の税制設計や財政負担のあり方は、同様に電動化を進める欧州各国にとっても重要な先行事例となりそうだ。(2026年2月5日)