
ステランティスは6日、事業戦略の見直しを発表した。電気自動車(EV)中心の方針を修正し、ハイブリッド車や内燃機関車を含めた「顧客の選択肢」を重視する体制へ転換する。同時に巨額の特別損失計上で2025年通期は最終赤字となり、2026年の配当は見送る。
2025年通期は最終赤字に
同社はEV市場の成長ペースを過大に見積もった結果、顧客ニーズとのずれが生じたと説明。今後は市場需要に応じた商品構成を重視し、地域主導の意思決定を強化する。米国では今後4年間で約130億ドルを投資し、新車投入や生産体制強化を進める一方、採算性の低いEV計画の一部は中止した。
2025年の施策効果として、後半の世界出荷台数は前年同期比11%増の約280万台と回復。北米を中心に販売改善が進み、欧州でも受注増や品質改善の兆しがみられる。
正式な決算発表は2月26日
一方、戦略修正に伴い2025年後半に約222億ユーロの特別費用を計上。EV計画見直しや電池関連投資の合理化、保証引当金の再評価などが主因で、約65億ユーロは今後4年間に現金支出となる見通しだ。2025年後半は売上高とキャッシュフローが改善したが、特損の影響で利益は圧迫された。財務基盤維持のため最大50億ユーロのハイブリッド債発行も決定。2026年は売上高や営業利益率、キャッシュ創出の改善を見込む。正式な通期決算は2月26日に公表予定。
EV需要の伸び鈍化を背景に、自動車各社が電動化戦略を現実志向へ修正する動きが広がるなか、同社の戦略転換の成否が注目される。(2026年2月6日)