• 2026-02-25

ルノー、電動商用車合弁「フレクシス」を完全子会社化

仏国内で開発・生産継続、26年末に新型電動バン量産へ

ルノーグループは23日、電動商用車の合弁会社「フレクシス」(Flexis)を完全子会社化する、と発表した。合弁相手で同社株式の45%を持つボルボグループと同じく10%を所有するCMA CGMグループの保有株式を取得する。各国の規制当局の承認を前提に、2026年上期中の手続き完了を見込む。

フレクシスは2024年に3社が設立した電動中型バンの開発・製造を担う合弁会社。今回の体制変更により、ルノーが開発から生産までを主導し、プロジェクトを最終段階まで推進する。生産は当初計画通り、仏サンドゥヴィル工場で2026年末に開始する予定だ。第1弾モデルは「Renault Trafic Van E-Tech electric」。800ボルトモーターや独自のスケートボード型プラットフォーム、SDV(ソフトウエア定義車両)アーキテクチャーを採用し、都市物流の脱炭素化需要を取り込む。開発にはフランス国内で約1300人が従事している。

販売面では、ボルボ・グループ傘下のルノー・トラックスが2027年から同車を取り扱う。長年の小型商用車分野での提携関係は維持する。

世界の商用車市場は、景気減速や物流需要の変動を受けて成長ペースが鈍化する一方、電動化への投資は加速している。欧州ではCO₂排出規制の強化を背景に、都市部配送向けの電動バン需要が拡大。中国でも電動小型商用車が急速に普及し、価格競争が激化している。

一方で、電動商用車は車両価格や電池コスト、充電インフラ整備の課題を抱え、採算確保が難しい分野でもある。このため、各社は合弁や資本提携を通じてリスク分散を図ってきた。今回のルノーによる単独化は、開発主導権を明確にし、意思決定の迅速化とコスト管理の徹底を狙う戦略転換とみられる。

商用車は乗用車に比べ台数規模は小さいが、都市物流やラストマイル配送の拡大を背景に、中長期的な成長余地が大きい。電動化とソフトウエア化を軸とした競争は今後一段と激しさを増しそうだ。(2026年2月24日)