コンチネンタルは4日、ミュンヘンでのIAAモビリティ2023で新しいタイヤコンセプト「Conti CityPlus(コンチ・シティプラス)」を発表した。タイヤの総合エネルギー効率を最大10%向上させ、CO2排出量の削減と乗用車の航続距離を3%伸ばすことができるという。
コンチ・シティプラス・テクノロジーの特長は、電気自動車の航続距離を伸ばすことが大きなポイント。特別設計のトレッドパターンのほか新構造のカーカス、ゴムコンパウンドの改良など施した。トレッドストリップは特殊なV型パターンを採用し、より硬いパターン構造を作り出している施した。さらに、より硬いカーカスを実現しタイヤ変形を抑えている。ゴムコンパウンド内の特殊な充填剤システムと最適化されたポリマーネットワークも、タイヤ全体の高いエネルギー効率に貢献している。市街地走行におけるストップ・アンド・ゴー時のタイヤの挙動を最適化し、電気自動車では100km走行あたり0.6kWhの節約に相当する省エネルギーを可能にしたという。
同時に、コンチネンタルはIAAモビリティ2023で、シリーズタイヤ「UltraContact(ウルトラコンタクト) NXT」を発表。再生可能素材やリサイクル素材、ISCC PLUSのマスバランス認証を受けた素材を最大65%使用し、市販用タイヤとしては同社過去最高のサステイナブル素材比率を実現した。
ウルトラコンタクトNXTは今年7月から、ポルトガルのルサド工場で生産が開始された。バイオベース、バイオサーキュラー、サーキュラー原料から、最大28パーセントのISCC PLUSマスバランス認証材料を得ているほか、ウェットブレーキング、外部ノイズの分野でEUタイヤラベル「A」の最高マークを獲得。起亜「ニーロ」のほかVW「 ID.3」、メルセデス・ベンツ「EQA」、テスラ「モデル3」、アウディ「Q4 E-TRON」、シュコダ「オクタビア」、VWゴルフ「8」、アウディ「A3」など人気車種に装着される予定だ。
コンチネンタルは、持続可能な素材の調達から使用済みタイヤのリサイクルに至るまで、バリューチェーン全体を通じて革新的な技術や持続可能な製品・サービスの開発に取り組んでいる。2030年までに再生可能素材とリサイクル素材をタイヤに40%以上使用することを目指し、遅くとも2050年までにすべてのタイヤ製品に100%持続可能な素材を使用する予定だ。