BMWは9日、イギリス・イングランド東部にある「MINIオックスフォード工場」で生産工場向けの新しいBMW ITソリューションを稼働させた、と発表した。欧州最大のソフトウェア会社SAPのクラウドベースにしたデジタル生産システムを導入した「iファクトリー」で、世界で初の取り組みという。
BMWによると、自動車生産におけるSAP S/4 HANAの本稼働に初めて成功したという。オックスフォード工場での導入で、両社は将来の自動車工場のプロセス・デジタル化における標準化を推し進めることができるとしている。なかでも、グローバルでの物流や財務、通関プロセスのソリューションを同時展開し、この標準化により工場間の相互サポートや従業員の柔軟な配置などが可能になるという。また、将来的にはバリューチェーン全体でもデータの一貫性と透明性を実現し、データ解析とAIを用いて関連する製品やプロセス、品質、財務、コストのデータをリンクさせ高度な工場管理を実現する方針だ。
BMWでは、オックスフォード工場での本稼働でこのIT標準をグループの他の生産拠点にも順次導入する計画だ。BMWグループのアレクサンダー・ビュルシュCIO兼グループIT担当SVPは、「私たちは自動車業界のビジネス・プロセスとシステムの標準化におけるイノベーション・リーダーであることを誇りに思う」と話した。