• 2024-12-23

現代自、サウジアラビアで自動車合弁生産へ

現代自動車は23日、サウジアラビアで現地ファンドの「公共投資基金(PIF)」と合弁で2026年にも自動車生産を始める、と発表した。総額5億ドル(約750億円)を投じ、内燃機関(ICE)と電気自動車(BEV)の両パワートレーンで年間5万台の生産をめざす。サウジは脱石油依存をめざす国家改革計画「ビジョン2030」で2030年までに国内で30万台の自動車生産を計画しており、独自のBEVブランドを立ち上げたり米EVベンチャーのルシード・モータースを誘致している。

韓国・尹錫悦大統領のサウジ訪問に合わせて22日に開催されたサウジ・韓国投資フォーラムで、尹大統領も立ち合いPIFと現代自の合弁事業の契約調印を行った。両者は新たに合弁会社を立ち上げ、サウジ国内で自動車を生産する。合弁会社の出資比率はPIFが70%で残りの30%を現代自が担う。現代自は新会社の戦略的技術パートナーとして技術的・商業的支援を提供し、生産支援に取り組む。プロジェクトの総投資額は5億ドルを超えるとし、数千人を雇用する見通しだ。

生産車の具体的な概要は明らかになっていないが、ICEとBEVの両方を生産するという。2026年にも工場を立ち上げ、年間5万台を生産したい計画だ。一方で、PIFは自動車サプライチェーンと製造能力の現地化を目的とした事業会社「Tasaru(National Automotive and Mobility Investment Company)」の設立を発表したほか、PIFとサウジ電力会社が2030年までにサウジ国内に5,000基以上のEV用急速充電器の設置を計画するBEVインフラ会社の立ち上げも明らかにしている。

PIFのヤジード・A・アル・フミード副総裁は、「PIFにとって現代自動車との提携は、サウジアラビアの自動車エコシステム(PIFの13の優先セクターの1つ)の成長を成功裏に実現し加速させる上で、重要なマイルストーン。ルシ-ドとセアモーターズへの出資も合わせて、サウジアラビアの自動車とモビリティのバリューチェーンの幅を広げたい」と話した。