起亜自動車は9日、米ラスベガスで開幕した「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)2024」で電気自動車専用のプラットフォーム「PBV(プラットフォーム・ビジョンド・ビークル)」を活用した将来ビジョン発表した。3段階のロードマップを示すとともに、SDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル、ソフトウェア定義車両)を組み合わせ多様なユーザーニーズに対応した車両開発を推し進める考えだ。同社では、このPBVによる商用EV「PV5」を2025年に量産する計画だ。
起亜自の「PBV」は、様々なユーザーに柔軟に対応できる車両プラットフォームで、EV専用の新たなモジュール組み立て生産のベースとなる。このPBVの将来戦略として、3つのフェーズに分けたロードマップを明らかにした。フェーズ1では、主に配送用との商用EV「起亜PV5」を導入し、車両間のデータ接続を強化することでルートや配送情報などの外部データを活用する。フェーズ2ではPBV専用モデルのラインアップが完成させ、AIベースのモビリティ・プラットフォームをめざす。フェーズ3では、PBVを未来のモビリティ・エコシステムと統合することで「高度にカスタマイズ可能なオーダーメイドのモビリティ・ソリューションへと進化させる」という。
2025年にも「PV5」を量産へ
同社はファソン(華城)に25年ぶりの新工場を建設し、年産15万台の能力を持つEV専用工場とする計画だ。2025年に「PV5」の生産を始める予定だ。PV5は、フェーズ1に合わせてベーシック、バン、ハイルーフ、シャシーキャブの各バージョンを用意し、将来的にはMotional(HMGとAptivの合弁会社)と共同開発した「ロボタクシー」モデルも導入する予定だ。また、フェーズ2で「PV7」と「PV1」の2モデルを導入する。合わせて、PBVが可能にする専用のビジネス・システムも立ち上げる方針だ。
起亜自のCES 2024への出展は5年ぶり。LVCC西ホールで、「インスピレーションの場」をテーマにPBVを紹介し、Concept PV5の3つのバリエーションとConcept PV7、Concept PV1を含む5台のPBVコンセプトカーを展示している。また、CESセントラルプラザに「All-set EV Life for Everyone」をテーマとした2つめの展示も行っている。近未来的な起亜のコネクテッドホームを紹介し、コンセプトEV3やコンセプトEV4、EV6、EV9の市販モデルのほかEV9の走行シミュレーションも披露している。(2024年1月9日)