• 2024-07-01

アラムコ、ルノー・吉利の合弁会社に1兆2千億円出資

サウジアラビアのエネルギー大手、アラムコはルノー・グループと吉利汽車が設立したグローバル・パワートレイン・ソリューションの新会社「ホース・パワートレイン」株の10%を取得することで合意した。ルノーグループが28日発表した。取得金額は74億ユーロ(1兆2,758億円)。これにより、ルノー・グループと吉利汽車の保有割合は45%ずつとなる。

新会社「ホース・パワートレイン」はルノー・グループと吉利汽車が今年5月末に設立した内燃機関事業の合弁会社。英国ロンドンに本社を置く。世界に17工場、5つの研究開発センターを展開し、約1万9千人の従業員が従事する。中国と欧州、中南米を中心にガソリンや水素、LNGなどを燃料とする内燃機関の自動車生産を行う。年間500万台のパワートレインユニットの生産を予定している。

アラムコは、ルノー・グループと吉利汽車からホース・パワートレインの株式10%を均等に取得する。これにより、アラムコは持続可能なモビリティ・ソリューションの開発と実際の事業化を通じて、エネルギー転換に注力し脱炭素化を加速させたい考えだ。このため内燃機関の性能を共同で向上させる目的で、燃料や潤滑油に関する技術協力していく方針だ。

アラムコ、ルノーグループ、吉利汽車は、自動車産業の脱炭素化を成功させるには、高効率のICE、トランスミッション、ハイブリッドパワートレイン、低炭素合成燃料や水素などの代替燃料、車両の電動化など、様々な技術の組み合わせが必要であり、世界中のエネルギーとモビリティの秩序ある移行をサポートするという見解を共有している。

アラムコの技術・イノベーション担当上級副社長であるアフマド・O・コワイター氏は、「アラムコの投資は、手頃な価格で効率的な、低炭素排出の内燃機関の開発と世界展開に直接貢献することを期待している」と述べ、ルノー・グループのルカ・デ・メオCEOは、「自動車産業の脱炭素化は、単独で達成できるものではない。そのためには、最高のプレーヤーが力を合わせて新しい道を開き、革新的な解決策を打ち出すことが必要だ。アラムコをの戦略的パートナーとして迎え、ICEとハイブリッド技術の未来を刷新するドリームチームが誕生した」と話した。(2024年6月29日)