• 2025-12-04

ヒョンデが新型ロボ「MobED」発表 AI自律走行で多用途化

現代自動車グループは2日、東京ビッグサイトで開幕した国際ロボット展(iREX2025)で、自律走行型の新ロボットプラットフォーム「MobED(Mobile Eccentric Droid)」の量産仕様を発表した。同社ロボティクスLABが開発する初の量産モデルで、2026年前半の販売開始を予定する。

MobEDは2022年のCESで試作機として公開されたが、今回、人工知能(AI)による自律走行、LiDAR・カメラ融合センサー、独自の偏心構造による姿勢制御などを搭載し、実運用に耐えるプラットフォームとして仕上げた。屋内外での高い走破性と安全性を両立し、物流、研究、映像制作、配送など多用途への展開を想定する。

MobEDのコンセプトは「Adaptive Mobility(適応走行)」「Intuitive Autonomy(直感的自律性)」「Infinite Journey(無限の応用性)」の3本柱。凹凸路面でも水平を保つ姿勢制御機構や、車載グレードのエンジニアリングを活かした堅牢設計を特徴とする。

ラインアップは2種類で、高度な自律走行を備える「MobED Pro」と、研究開発用途に向けた「MobED Basic」。ProはLiDAR・カメラ融合センサーや“フォローミー”機能を搭載し、商用・屋外用途を想定。Basicは自律機能をあえて外し、ユーザーが独自のアプリケーション構築をしやすい構成とした。両モデルとも最大2.8m/sの走行速度、±10度の傾斜回避、段差100〜200mmのクリアランスなど、高い走行性能を備える。バッテリーは最大4時間稼働し、2.5時間で90%まで充電可能。

外観デザインは直線と曲線を調和させた「Refined Edge」をコンセプトに、高精度メタルパーツやDrive-and-Lift(DnL)モジュールを一体化。センサー類も外装に自然に収まる造形とし、ロボットとしての機能性と美しさの両立を図った。

iREX2025の会場では、MobED ProとBasicの2機種が展示され、凹凸走行、荷役、配送、ゴルフカート型“Urban Hopper”、放送業務などのデモンストレーションを実施。自律走行、フォローミー、充電などの動作を来場者が確認できる。(2025年12月3日)