ルノーグループと日産自動車は26日、今年2月6日に締結した枠組み合意を踏まえた最終契約の締結を完了した事を発表した。規制当局の承認を経て年内にも実行予定だ。また、ルノーが欧州に設立するEV新会社「アンペール」に日産は最大6億ユーロ(930億円)を出資する。
アライアンス会長のジャン・ドミニク・スナールは「本日署名した契約により、アライアンスは次の章に進むことになる。これらにより、我々の長年にわたるパートナーシップが強化され、アライアンス各社の価値創造の最大化に貢献する。また、これは新たなバランスのとれた、公正で効果的なガバナンスの基礎の構築につながる」と述べた。
日産自動車の内田 誠社長は「この最終合意の締結により、我々は相互に有益な革新的分野において、ルノー及び三菱自動車との協業が次のフェーズに進む事になる。これにより、『Nissan Ambition 2030』の取り組みや電動化戦略において新たな価値が創出される。アンペアへの出資は、現在日産が欧州で進めている電動化の取り組みを補完、強化するものであり、コスト効率化、規制対応、EVやパワートレインのラインアップ拡大など多くのシナジー効果を生み出す」と述べた。
ルノーグループCEOのルカ デメオは「これらの契約は、グローバルに主要市場での事業を再活性させる堅固な基盤を提供し、ルノー、日産、三菱自動車をはじめとしたステークホルダーにとって何億もの価値を生み出す可能性を秘めている。また、急速に変革する環境の中、今回の合意により当社は戦略的アジリティーを得る事になる。我々は正しいマインドセットを共有しており、EVとソフトウエアに特化したアンペアに日産が強力なパートナーとして参加されることを歓迎する。これは欧州市場でフロントランナーを目指しているこのプロジェクトの魅力が認められた証であり、ルノーとアライアンスのパートナー企業が欧州のEVおよびソフトウエア競争のスターティンググリッドの先頭に立てる事を意味する」と述べた。
合意内容は3項目で、インド、ラテンアメリカ及び欧州での連携を強化し、なかでもインドで新型車投入を含む新たな事業展開を計画しているほか、三菱自動車を含む3社で電動化や低排出技術領域での協業を合意している。そのひとつとして、日産はルノーグループが欧州に設立するEV&ソフトウエア新会社「アンペール」に最大6億ユーロ出資する。
両社は2019年3月に交わした戦略提携を修正し、相互の保有株式を15%とすることで合意しており、ルノーグループは日産株28.4%をフランスの信託会社に信託する。