フォードモーターは12日、同社のモータースポーツ・レース部門である「フォード・パフォーマンス」のジェネラル・マネージャーとして、ビル・フォード会長の息子でフォード創業家5代目のウィリアム・クレイ・”ウィル”・フォード3世が入社する、と発表した。また、チーフ・カスタマー・エクスペリエンス・オフィサーのエレナ・フォード氏が世界のディーラーを統括するチーフ・ディーラー・エンゲージメント・オフィサーに、元トヨタの北米マーケティング担当トップのリサ・マテラッツォ氏をグローバル・チーフ・マーケティング・オフィサーに任命した。
北米トヨタのリサ・マテラッツォ氏も
エレナ・フォード氏は、ディーラー・エンゲージメント最高責任者として新たな職務に就き、全世界に約1万店舗あるフォードのディーラーを、フォードにとって競争力のある差別化要因へと変革することを加速するという。グローバル・チーフ・マーケティング・オフィサーとなるリサ・マテラッツォ氏は北米トヨタで20年勤めマーケティングの責任者だった。ジム・ファーリーCEOの直属の部下として、フォードのマーケティングを担う。
フォードモーターは、今回の人事を「顧客重視のフォード+変革を加速させるため」と説明している。新たにチーフ・カスタマー・エクスペリエンス・オフィサーとなるエレナ・フォード氏は、「ディーラーは、何百万人ものお客様と接するフォードの顔であり、世界中の地域社会の一部。私たちは、より良いトレーニング、より深い関与、より多様性を通じて、この強みをさらに強化する」と述べた。 グローバル・チーフ・マーケティング・オフィサーとなるリサ・マテラッツォ氏は、「優れたマーケティングは、フォード+計画をさらに加速させる。私たちのシームレスにつながった製品、サービス、所有体験によって顧客の心をつかむチャンスがある」と話した。
フォード・パフォーマンス担当ジェネラル・マネージャーとなる、ウィリアム・クレイ “ウィル”・フォード3世は、フォード・パフォーマンスの製品開発、マーケティング、ディーラー、マーチャンダイジングなどフォード・チームと密接に協力しながら、フォード・パフォーマンスの強化を担う。同社では「
フォードは120年の歴史の中で、パフォーマンスとモータースポーツにとって最も野心的な時期のひとつを迎えている」とし、レッドブル・レーシングとともにF1に参戦し、来年のル・マンにマスタングで参戦するなどを控えている。ウィル・フォードは、「私たちは、私がこれまで見てきた中で最高の高性能製品ラインアップと、最もエキサイティングなモータースポーツのスケジュールがあり、私はフォード・パフォーマンスを使って、お客様に新たな道を切り開く機会に興奮している」と語った。
ウィル・フォードはプリンストン大学を卒業し、マサチューセッツ工科大学でMBAを取得。その後、約10年間、ベンチャー・キャピタルの投資家として自動車会社とモビリティ・スタートアップに関わってきた。