米国ホンダは29日、同社初のBEV‐SUV「新型プロローグ」を発表した。GMとの共同開発車。85kWhのリチウムイオンバッテリーパックを搭載し、フル充電での航続距離は300マイル(482㎞)に達するという。近く発売し、来年から納車予定。価格は税額控除など優遇措置適用前で4万ドル台後半からと話している。ホンダは2030年までに世界で30車種の新型EVを投入し、年販200万台をめざしている。なかでも、北米ではオハイオ州に新たなEVハブを設立し、2026年にもBEV生産を計画している。
GMとの共同開発「新型プロローグ」。航続距離は480㎞
新型プロローグは、ミドルサイズのSUVでホンダが推し進めるBEV化に向けた同社初の量販EVとなる。シングルモーター(前輪駆動)とデュアルモーター(全輪駆動)の両仕様を用意し、「EX」、「ツーリング」、「エリート」の3グレードを設定した。スポーティでモダン、広々とした快適なインテリアを特長とする。11.3インチのHDタッチスクリーンを標準装備し、最新のデジタルサービス技術とともにグーグルを内蔵した。さらに最先端の運転支援技術「ホンダ・センシング・スイート」を採用した。走行中でも使いやすいように、ドライバーの手を安定させるためのフィンガーレストタッチスクリーンも用意した。車体色には、カリフォルニア州レイクタホ周辺の自然の美しさと色彩からイメージした新色「ノースショア・パール」を含む7色を揃えた。
充電は最大155kWのDC急速充電に対応し、約10分で65マイルの走行を可能とした。多様な受電パッケージも用意、ユーザーに最適な家庭用充電ソリューションの選択をサポートするという。ホンダはGMやBMWなどとともにEV用充電ジョイントベンチャーを立ち上げ、米国とカナダで高速充電ネットワークを構築する予定だ。2024年夏にも運用を開始する予定で、新型プロローグのユーザーは都市部や高速道路の主要カ所に設けた350kW以上の高速充電ポイントを利用できるという。
ホンダは昨年10月に、オハイオ州に新たなEVハブを設立した。2024年末にはLGESとジェファーソンビル近郊のフェイエット郡に年間生産能力約40GWhの合弁EVバッテリー工場を竣工する予定だ。さらに、約7億ドルを投じてメアリズビル工場をEV生産に移行させる計画だ。