• 2024-09-29

ステランティス、レンタカー大手「シクスト」と大型契約。3年間で25万台販売へ

ステランティスとレンタカーなどを扱うモビリティサービス会社のシクスト社は16日、欧州と北米で3年間で最大25万台のステランティス車を購入することで合意した、と発表した。シクストはマルチブランドのステランティス車を使ったレンタカー事業を強化するとともに、電気自動車(BEV)を導入しレンタカー事業のCO2排出量削減につなげたい考えだ。両社はステランティスのデータ・アズ・ア・サービス(DaaS)の「Mobilisights(モビリィサイト)」によるデジタルサービスにも取り組む。ステランティスは大型のフリート契約を結んだことで、計画的な部品調達と生産ができるほかBEVでも有利な生産体制を整えることができそうだ。

シクストによる車両購入額は数十億ユーロ(数千億円)に達する見込み。早ければ2024年第1四半期に最初の納車が行われる。購入車両はステランティスの「アルファロメオ」や「クライスラー」など13ブランドが対象となる。車種もBEVを含む、シティカーからSUV、バン、トラック(7人乗り、9人乗りを含む)といったさまざまなクラスになるという。具体的な注文台数や注文構成、納期については今後詰める。

また、ステランティスはDaaSの「モビリィサイト」をシクストに提供する。パッケージ化しシクスト向け車両に搭載し、シクストがレンタカーでの燃料消費データや走行距離など情報をリアルタイムで把握できるようにする。これにより、シクストは車両管理を効率化する。

ステランティスのカルロス・タバレスCEOは「今回のシクスト社との提携で、ステランティスブランドの既存顧客と潜在顧客は最先端のパワートレーンやコネクティビティ、快適な乗り心地を備えた当社の最新製品に触れることができる。これは究極のテストドライブであり、ステランティスが持続可能なモビリティ・テック企業へと変貌を遂げる今後数年間の重要なチェックポイントとなる」と述べた。

Sシクストのコンスタンチン・シクスト共同CEOは、「ステランティスを象徴するブランドのエキサイティングな車両を多数当社に迎えることを大変楽しみにしている。お客様のあらゆるモビリティニーズに対して最良の選択肢を提供するという当社の約束を強調できる」と話した。

両社はそれぞれの脱炭素化への取り組みでも今回の合意が大きく作用するとしている。ステランティスは、その戦略計画「Dare Forward 2030」で2030年までに欧州で乗用車用BEVの売上構成比を100%に、米国では乗用車と小型トラックのBEV売上構成比を50%にすることをめざしている。一方、シクストは2030年までに欧州での電動車シェアを70~90%とすることw目標としており、独自の充電インフラ投資を含めカーボンニュートラルへのアプローチを加速することになる。(2024年1月17日)