• 2024-11-06

トヨタ、人工知能搭載のロボット開発でボストン・ダイナミクス社と提携

北米トヨタは16日、トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)とボストン・ダイナミクス社が新たな共同研究契約を結び、ロボット工学と人工知能の分野で協業すると発表した。TRIの「Large Behavior Models(LBM、大規模行動モデル)」とボストン・ダイナミクスのロボット「Atlas(アトラス)」を活用し、汎用人型ロボットの開発を加速させる。

両社はヒューマノイドロボットの基礎的なトレーニングやセンシング能力、さらにこれらの新しい能力をサポートする人間とロボットの相互作用などについても研究していく方針だ。共同研究チームは、ボストン・ダイナミクス社のロボット研究担当シニアディレクターであるスコット・クインダースマ氏と、トヨタ・リサーチ・インスティテュートのロボット研究担当副社長であるラス・テドレイク氏が、ボストンを拠点に取り組むという。

ボストン・ダイナミクスのロバート・プレイターCEOは、「汎用ヒューマノイドの開発を加速させるため、TRIと協力できることを楽しみにしている。この提携は、強固な研究開発基盤を持つ2社が協力し、多くの複雑な課題に取り組み、現実の問題を解決する有用なロボットを開発できる」と話す。一方、TRIのギル・プラットCEOは「AIと機械学習の最近の進歩は、身体能力の向上に多大な可能性をもたらします」とし、「TRIの最先端AI技術をボストン・ダイナミクスのハードウェアに導入する機会は、人々を支援し生活の質を向上させるという我々の組織にとって、それぞれに画期的なものとなる」とコメントした。 

現代自動車傘下でもあるボストン・ダイナミクス社は、人型ロボットの分野で長年にわたる高い評価を得ている。最新世代のアトラスは身体能力と全身の動作をプログラミングするため、ソフトウェア・インターフェースの両面で最も優れた人型ロボットのプラットフォームを構築することを目的としている。一方、TRIはロボット工学におけるLBM開発のフロントランナーで、生成型AIをロボット工学における器用な操作能力の向上を図っている。両社の共同研究で、人工知能を搭載した人型ロボット開発が大きく加速するとみられている。(2024年10月16日)