米下院の2つの委員会は21日、フォード・モーターと中国のバッテリー会社CATLの提携について調査していると発表した。フォードは2月、世界最大の電池メーカーであるCATLの技術を使い、ミシガン州に35億ドルを投じて電池工場を建設すると発表しており、中国企業へのバッテリー依存を議会が懸念している。
下院歳入委員会と中国特別委員会の共和党委員長であるジェイソン・スミスとマイク・ギャラガーは連名の書簡で、フォードにこの取引に関する質問への回答を要求した。同社が電気自動車用バッテリーの生産を中国に依存し続ければ、「同社は中国共産党とその政治の気まぐれに自社と米国の納税者をさらすことになる」と警告。これに対しフォードは、「競合他社のように、他の場所にバッテリー工場を建設したり、中国からLFP(リン酸鉄リチウム)バッテリーだけを輸入したりするのではなく、米国内でこの工場を所有し運営する」と述べ回答していく考えを示した。
委員会によると、2,500人のフォード工場の雇用のうち数百人は、設備の設置や保守を担当する中国からのCATL従業員で占められているほか、フォードとCATLの提携発表の直後、強制労働に関係しているとされる新疆ウイグル自治区に拠点を置く企業について、「CATLは所有権を売却したように見せかけながら、実質的な支配を維持するための措置をとった」ことが、情報公開やメディアの報道から示唆されているという。