米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は7月28日、乗用車と小型トラックの新たな燃費基準案を発表した。2027年モデルから乗用車で年率2%、小型トラックは同4%の燃費改善をめざす。これにより、2032年までに平均燃費58マイル/ガロン(約24.7㎞/㍑)をめざす。
NHTSAは60日以内を期限に消費者、労働組合、自動車メーカー、州、環境保護団体など幅広い利害関係者と意見交換を行う。
新燃費基準では、米国でのエネルギー安全保障を強化すると同時に外国産石油への依存度を下げる、米国でのガソリン消費を数百ドルレベルで節約できるとしており、総額180億ドル以上のメリットとなるとしている。「自動車の燃費向上は、アメリカ人の懐を潤し、国全体のエネルギー安全保障を強化することを意味する」と、ピート・バティギグ米運輸長官は述べた。
この新提案はまた、バイデン=ハリス政権が掲げる、アメリカ人のコスト削減と、高速道路やその他の交通量の多い道路周辺の地域社会における有害な温室効果ガス排出や大気汚染の削減という公約を支持するものでもある。低所得世帯は、収入の20%近くを交通燃料に費やしており、これは米国の平均世帯の3倍に相当するため、この提案は環境正義を推進するという政権の公約に合致するという。
新燃費基準の「好ましい選択肢」として、NHTSAは乗用車の燃費を年率2%、小型トラックの燃費を年率4%改善する案を打ち出した。2027年モデルから2032年モデルまで段階的に改善し、2032年までに平均燃費58マイル/ガロンを狙る。また、商用ピックアップトラックとワークバン(車両総重量8,500ポンド以上14,001ポンド未満)については、2030年モデルから2035年モデルまで、年率10%の改善を行う。
これにより、①自動車の寿命を通じて、消費者の燃料費を500億ドル以上節約する②2050年までに880億ガロン以上のガソリンを節約し、石油への依存を減らす③2022年から2050年にかけて、2億3,300万台以上の自動車を使用しないことに相当する、9億トン以上のCO2排出を防ぐー。