
カナダの自動車部品大手マグナ・インターナショナルは5日、通常コース発行者買付(NCIB)による自社株買いの継続を発表した。トロント証券取引所(TSX)が通知を受理しており、最大で普通株式2,530万株(発行済み株式の約10%)を裁量で取得できる。新たなNCIBは2025年11月7日に発効し、2026年11月6日まで実施可能となる。
市場価格に応じ柔軟に買付
買付はTSXおよびニューヨーク証券取引所(NYSE)を通じて行われ、当日の市場価格を基準とする。マグナは、株価が魅力的であり資金の有効活用と判断される場合に消却目的で自社株を購入する方針。加えて、株式報酬制度向けの資金調達にも充てる。買付の進捗や期間は、市場動向などを踏まえて同社が決定する。TSXにおける1日当たりの買付上限は、過去6カ月間の平均日次取引高128万7,865株の25%にあたる32万1,966株。NYSEでは規則10b-18に基づくセーフハーバー条件により、同様の制限が適用される。
現行買付は6日で終了、自動購入計画も導入
マグナは、2025年11月に開始した現行のNCIB(上限2,850万株)が11月6日に終了することも明らかにした。これまでにTSXやNYSEなどを通じ、加重平均価格61.21カナダドルおよび43.45米ドルで約583万株を取得。そのうち約570万株を消却し、残りは株式報酬プログラムに充当している。新たな枠にあわせ、マグナは指定ブローカーとの間で自動株式購入計画を導入。通常は取引が制限される期間でも、事前に設定された条件のもとで株式取得を継続できる仕組みとした。同社は「自社株買いは資本配分の柔軟性を維持し、株主価値の向上につながる」としている。(2025年11月5日)