全米自動車販売協会連合会(NADA)は6日、米議会で審議されている環境保護庁(EPA)の新たな排ガス規制案に対する意見書を公開し、けん制した。EPAの排ガス規制案は、2032 年までに新車販売の 67.5%を電気自動車(BEV)とすることを事実上義務づけており、NADAはBEVに対する市場ニーズとかい離した政策目標値だと懸念を表明している。
NADAは223人の会員代表が、マイク・ジョンソン下院議長(共和党)とミッチ・マコーネル上院共和党党首(共和党)に宛てた書簡を公表した。EPAによる新車販売の67.5%をBEVとする新たな排ガス規制案の承認を見送るよう求めた。NADAのマイク・スタントン会長兼CEOは「アメリカのフランチャイズ・ディーラーは、EVインフラに60億ドル(約8,700億円)を投資してきた。我々は温室効果ガスの排出量を削減するという目標を共有しているが、EPAの規則案はあまりにも早すぎる。充電インフラの不足は別として、EPAのEV義務化は消費者の選択肢を大幅に減らす」と述べた。
EPAは今年5月、2027~2032年モデルの小型車と中型車について、2030年に販売される新車の60%、2032年に販売される新車の67.5%を実質的にEVとする規則を提案した。これは2030年までにEV販売を50%にするというバイデン政権の2021年大統領令をも上回るもの。EPAの規則案は来年に最終決定される予定だ。なお、昨年の米国での新車販売台数に占めるBEV割合は5.8%だった。