全米自動車ディーラー協会(NADA)は、2024年の米国新車市場が前年比2.8%増の1,590万台と予想した。金利上昇を逆風としながらもメーカーインセンティブで購買意欲を維持、年後半は利下げ予想で需要を後押しするとみている。
2023年は12.4%増の1546万台
NADAのチーフエコノミスト、パトリック・マンジー氏がレポートした。これによると、2023年の新車販売台数は1,546万台で、2022年比12.4%増と大きく伸びた。このうち、電気自動車(BEV)は初めて110万台を超え、市場シェアは7.2%を占めた。なかでも、フランチャイズディーラーでのBEV販売が市場全全体の40.1%だった。
車種別では、ハイブリッド車のシェアは7.6%で、PHEVは1.9%だった。それぞれ、前年に比べ2ポイントと 0.6 ポイント増えた。新車在庫は 2023年12月末には230万台まで増加、12月の販売が好調であったことと連休のため生産日数が少なかったことで11月末に比べ若干減少したものの、前年同月比では37.8%増加した。マンジー氏は「2024年第1四半期も在庫の増加は続くだろう」と予想しながらも、在庫増に伴う自動車メーカーのインセンティブ支出の増加を指摘した。J.D.パワーによると、2023年12月の1台当たりの平均インセンティブは前年比90.7%増の2,458ドル(34万6,600円)とほぼ倍増したと見られている。また、2023年12月の新車ファイナンス契約の平均月次支払額は739ドル(10万3,482円)となり、前年同月から9ドル増加している予想している。
2024年の市場見通しは、バックミラー生産での半導体不足の解消が進むなどで新車在庫の増加が続くと予想する。同時に、新車・中古車でのローン金利の引き上げが逆風となるが「OEMによるインセンティブ支出の増加でいくらか相殺される」と見立てている。FRBが2024年後半に利下げに踏み切れば、年後半に金利が緩和される可能性を指摘し、2024年の新車販売台数は若干増加すると思われ「1,590万台と予想する」とした。