北米トヨタは8日、米ケンタッキー州のジョージタウン工場(TMMK)で9代目となる「新型カムリ」の生産を始めた。全量ハイブリッド(HV)モデルで、トヨタがめざす北米での電動化戦略を推し進めることになる。
生産を始めたのは2025年型カムリで、第5世代のトヨタ・ハイブリッド・システムのみを搭載する。TMMKのケリー・クリーチ社長は、「新型カムリの生産を開始することは、トヨタが40年近くにわたり安定した雇用の確保に取り組んできたことの証し。私たちは、この工場に利益を再投資し、さまざまな電動化車両を含む将来の生産機会に向けて従業員を準備する」と話した。
TMMKは1988年に創業した、トヨタ北米初の組み立て工場。「カムリ」はこれまでに1,100万台以上が組み立てられている。トヨタは北米での電動化を推し進めるため同工場にも積極r的な投資を行っており、昨年には2025年から米国市場向けに3列シートの電気自動車(BEV)SUVを新たに生産する計画を打ち出した。2021年以降、トヨタは米国で総額186億ドル以上の新規投資を行うことを発表しており、「現在および将来の個々のニーズに最適な電動化製品の選択肢を顧客に提供するという、トヨタのマルチパス・アプローチをサポートするもの。工場と地域社会に100億ドル以上が投資されている」としている。
新型カムリの生産開始にケンタッキー州のアンディ・ベシア州知事もコメントを寄せ、「トヨタは継続的な改善という考え方に基づきこの工場を刷新し、ここで働く約1万人のケンタッキー州民に将来の機会と安定を提供する方法を模索し続けている」と祝意を示した。(2024年5月9日)