米フォードモーターが24日発表した2024年第2四半期(4~6月、Q2)業績は、好調な商用車販売を反映し営業収益が前年同期比6.3%増の478億800万ドル(7兆6,972億円)の増収だったものの、材料費などのコスト増と品質改善のための保証引当金の積み増しなどで営業利益は同23.5%減の18億8,300万ドル(3,030億円)にとどまった。営業利益率は前年同期の5.5%から3.9%に大きく低下した。同社は通期のフリーキャッシュフロー(FCF)を10億ドル(1,609億円)引き上げ、75億~80億ドル(1兆2,068億円~1兆2,878億円)との見通しを示した。
通期のCFCを10億ドル引き上げ
事業部門別では、内燃エンジン車(ICE)の「フォード・ブルー」は人気ピックアップトラック「F-150」がけん引するなどし販売台数は74万1千台と2.9%増え、営業収益は前年同期比6.7%増の266億7千万ドル(4兆2,914億円)と伸ばした。しかし、14億ドル(2,252億円)強のコスト増が収益を押し下げ営業利益は同49.3%減の11億7,100万ドル(1,884億円)に落ち込んだ。商用車の「フォード・プロ」は、販売台数が37万5千台と同じく2.7%増の堅調ぶりを示した。商用バンの「トランジット」の根強い人気が支えた。営業収益は同9.0%増の169億8,800万ドル(2兆7,335億円)、営業利益も同7.2%増の25億6,400万ドル(4,125億円)を稼ぎ出した。
フォーリー社長「中国とテスラがベンチマーク」
一方、赤字続きの電気自動車部門「フォード・モデルe」は販売台数も3万4千台に前年同期に比べ23.5%減と大きく崩れた。他車との価格競争で収益低下を強いられ、営業損失は前年同期の10億8千万ドル(1,737億円)から11億4,300万ドル(1,839億円)に拡大した。ジム・フォーリー社長はEV事業について「私たちは2年半以上にわたって米国ナンバー2のEVブランドだ」と指摘するとともに、「中国とテスラが(EVの)コストのベンチマークだ」とし4万ドル以下の小型車でEV事業強化に取り組む意向を示した。
上半期純利益は13.9%減の5,089億円
2024年上半期では、販売台数が前年同期比0.6%増の218万7千台となり、営業収益は同4.8%増の905億8,500万ドル(14兆5,760億円)、営業利益は同32.1%減の31億800万ドル(5,001億円)となった。純利益は同13.9%減の31億6,300万ドル(5,089億円)。(2024年7月25日)