フォードモーターが28日に発表した2024年第3四半期(Q3、7~9月)業績は、増収減益となった。商用車部門「フォード・プロ」の好調な販売に支えられながらも、前年同期に比べ26億ドル、日本円で3,765億円もの営業経費増が響いた。次世代モデル部門の「フォード・モデルe」のEBITは12億ドル(約1,725億円)の損失を計上した。通期の調整後EBITで100億ドルを見込んでいる。
商用車「フォード・プロ」は好調
部門別では、フォード・ブルーは「新型フォード・エクスプローラー」と「リンカーン・アビエーター」を発売したものの販売台数は前年同期比2%減の72万1千台にとどまったものの値引き抑制が奏功し、営業収入は同2.3%増の262億ドル(3兆7,652億円)とプラスだった。また、「フォード・プロ」は同8.9%増の32万2千台と好調な販売を示し、営業収入も同13.7%増の157億ドル(2兆2,562億円)に達した。
一方、電気自動車販売は同4.2%減の4万6千台。モデルeでの販売台数は同11.1%減の3万2千台で、営業収入は同33.3%減の12億ドル(約1,725億円)にとどまった。同社では、「前年比で5億ドルのコスト改善が
見込まれていたが、業界全体で予想される価格圧力により相殺されEBITは12億ドルの損失となった」としている。
EV販売環境づくりでの優位性を強調
同社では、顧客が自宅で充電できるよう「フォード・パワー・プロミス」を提供するなど、EV販売環境の改善を急いでいる。同社では、「現在、約3,000店のフォードディーラーがEVを販売できるようになった」とし、「フォードが米国のEV普及が遅れている地域で新たな顧客を獲得する上で競争上の優位性となる」と話す。
通期の業績見通しでは、フォード・プロの通年EBITは約90億ドル、フォード・ブルーは約50億ドルを見込む一方で、モデルeは通年で約50億ドルの損失になる見通しを明らかにした。また、フォード・クレジットの税引前利益は約16億ドルになる見込みだ。(2024年10月29日)