• 2025-09-04

GM、8月のEV販売が過去最高に 税額控除終了前の駆け込み需要で2.1万台超

写真は2025年式シボレー・エクイノックスEV 3LT
2025年式エクイノックスEVへの強い需要が、GMの8月の電気自動車販売台数を過去最高に押し上げた。(GM提供)

ゼネラル・モーターズ(GM)は2日、8月の米国での電気自動車(EV)販売台数が過去最高を記録した、と発表した。シボレー、キャデラック、GMCの合計販売台数は2万1,000台を突破し、同社の月間販売として新記録となった。9月末で打ち切られる連邦政府のEV税額控除を前にした駆け込み需要とみられている。

8月の販売は「シボレー・エクイノックスEV」がけん引役となり、「キャデラック・リリック」や「GMCシエラEV」も好調だった。これにより、GMはテスラに次ぐ米EV市場第2位の地位を維持した。

一方、GMは9月以降の市場動向について慎重な姿勢を崩していない。ダンカン・アルドレッド北米社長は「税制優遇措置終了後は販売が一時的に減速し、市場が正常化するまで数か月を要する可能性がある」と述べ、短期的な需要縮小を織り込んでいる。同時に、「手頃な価格帯の新型シボレー・ボルトや高級セグメントのキャデラック、さらにはピックアップやSUVを揃えた製品群が、長期的な成長を支える」と強調した。

充電インフラの整備も成長の下支えとなる。GMはEVGoやIONNAと連携し、2025年末までに米国内で8万基、27年末までに10万基超の急速充電ベイを展開する計画を進めている。これにより、長距離利用における消費者の不安解消を狙う。

内燃機関(ICE)車とEVを併売する戦略も同社の特徴だ。競合の一部がEV計画を縮小する中、GMはICE車による収益確保とEV投資を両立させることで、市場変動への耐性を強めている。10月1日発表予定の第3四半期販売実績では、フルサイズピックアップやSUVを含めた全体の収益力が改めて問われる見通しだ。(2025年9月3日)