
米グッドイヤーは9月30日、世界各地に分散していたモータースポーツ事業を統合し、新たなグローバルレーシング組織を設立する、と発表した。長年のレース活動で培った技術とブランド資産を一体的に活用し、企業全体の成長戦略に直結させる狙いだ。
世界戦略強化へ新グローバル組織発足
新組織は10月1日付で発足し、グローバルレーシング担当副社長にはザビエル・フレポン氏が就任する。約30年に及ぶレースと製品開発の経験を持つ同氏は、NASCARや世界耐久選手権(WEC)、BTCCなど主要レースを手がけてきた実績を背景に、事業の戦略的方向性を統括する。報告ラインは最高技術責任者(CTO)のクリス・ヘルセル氏と最高マーケティング責任者(CMO)のウィル・ローランド氏に直結し、技術革新とブランド戦略の一体運営を推進する。
同社は「イーグルタイヤ」に象徴される高性能製品を武器に、NASCARやNHRAなどで独占供給を担ってきた。ヘルセル氏は「フレポン氏のリーダーシップにより、世界規模で競争優位性を高める」と述べ、ローランド氏も「モータースポーツはブランド戦略の中核であり、製品価値を実証する舞台だ」と強調した。
100年以上にわたりレース活動を続けるグッドイヤーは、今回の統合を通じて研究開発・マーケティング・ブランド構築を連動させ、成長投資を加速させる。自動車業界の電動化やグローバル競争の激化を背景に、同社はモータースポーツを差別化の源泉と位置づけ、持続的な事業拡大を図る構えだ。(2025年9月30日)