• 2025-10-02

現代自、米市場で2026年型IONIQ 5を最大9,800ドル値下げ――税控除終了でEV値引き競争に

現代自動車の米国法人「ヒュンダイUSA」は、2026年型IONIQ 5の米国価格を100万円以上大幅に引き下げる。1日発表した。モデル別で7,600ドルから最大9,800ドルの値下げを実施し、平均引き下げ幅は9,155ドル(約134万円)に達する。中国メーカーによる中国や欧州でのEVの値下げ競争が問題視されるなか、米国市場でも事実上のEV値引き競争が始まった格好だ。

今回の改定は、9月末に終了した米政府のEV税控除の反動を見据えたもの。エントリーモデル「IONIQ 5 SE」の新価格を3万5,000ドルからと大幅に値下げした。現代自は今回の価格調整で、税控除のあった9月末までと比べて消費者の購入負担を軽減し、競争が激化するEV市場での存在感を強化する狙いだ。同社はあわせて、2025年型モデルについても7,500ドルの購入・リースインセンティブを10月も継続すると明らかにした。

IONIQ 5はこれまで「ワールドカーオブザイヤー」をはじめ数々の賞を受賞してきた人気EV。現代自は、米国新工場「メタプラント・アメリカ」での生産拡大やコスト効率化を背景に、消費者に直接還元する形で値下げに踏み切った。ランディ・パーカー北米CEOは「税控除の有無に左右されない持続的なEV普及戦略の一環だ」と強調した。

GMやフォードも10月以後、税控除終了に対応したインセンティブ施策を展開し始めており、米国市場での相次ぐ値下げは、電動化競争のなかで米国市場でも価格競争の激化を加速させる契機となりそうだ。(2025年10月2日)