• 2025-10-17

トヨタ、アラバマでデフ生産を開始 ― 2億8,200万ドル投資で米生産基盤を強化

トヨタ自動車の米国生産子会社、トヨタ・アラバマは15日、トラックおよびSUV向けの新たな差動装置(ディファレンシャル)生産ラインを稼働させた、と発表した。投資総額は2億8,200万ドル、雇用創出は約350人。エンジンに続く新たなコア製品の追加により、米国での生産多角化と地域経済の底上げを図る。

新ラインでは、ピックアップトラック「タコマ」「タンドラ」および大型SUV「セコイア」向けの3種類のディファレンシャルを製造する。トヨタ・アラバマのマーク・ペリー社長は「新製品ラインの導入は、当社の柔軟性と地域社会への長期的コミットメントを示すもの」と述べ、ハンツビルの生産拠点を「米国事業の中核」と位置づけた。

トヨタ・アラバマは現在、北米で組み立てられるトヨタ車9車種のうち7車種にエンジンを供給しており、2024年の生産実績は89万5,000基を超える。今回の新投資により、同工場への累計投資額は17億ドルを上回った。ディファレンシャル生産の追加は、米国市場でのピックアップ需要の強さを背景に、トヨタが生産拠点の機能を拡張し、サプライチェーンの強靱化と現地化を一層進める動きと位置づけられる。

ハンツビル市のトミー・バトル市長は、「トヨタは地域の発展を支える柱だ。今回の投資は高賃金雇用を生み、産業と人材の競争力を一段と高める」と評価した。(2025年10月16日)