
米フォードモーターは23日、2025年第3四半期(7〜9月)の決算を発表した。売上高は前年同期比9%増の505億ドル(7兆4,740億円)と四半期として過去最高を記録。純利益は24億ドル(3,552億円)だった。米中間の関税負担などで7億ドルの逆風を受けたが、堅調な販売とコスト管理で増益を確保した。
フォード・プロがけん引
営業キャッシュフローは74億ドル、調整後フリーキャッシュフローは43億ドルと好調を維持した。9月末の現金残高は約330億ドルに達し、同社は1株当たり15セントの四半期配当を発表した。
電動車部門「モデルe」は依然2千億円の赤字に
事業別では商用車部門「フォード・プロ」がけん引役となり、売上高は11%増の174億ドル(2兆5,752億円)、営業利益は約20億ドル(2,960億円)。電動車部門「モデルe」は赤字幅を縮小しながらも14億ドル(2,072億円)の損失を計上したが、新型車の投入により欧州を中心に販売が拡大した。主力のガソリン・ハイブリッド車部門「フォード・ブルー」は15億ドルの黒字を維持した。
通期見通しでは、調整後営業利益(EBIT)を60億〜65億ドル(8,880億円~9,620億円)、フリーキャッシュフローを20億〜30億ドル(2,960億円~4,440億円)とする従来予想を据え置いた。ただし、アルミ供給大手ノベリス工場の火災による影響で、一時的に業績が圧迫される見込み。フォードはFシリーズの増産と最大1,000人の新規雇用で需要に対応し、2026年の回復を見込む。
ジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)は「フォードはコストと品質の両立を徹底し、より強く、敏捷な企業体へ進化している」とコメントした。