
テスラは22日、2025年10〜12月期(第4四半期)において、売上高244億ドル(3兆8,276億円)、純利益10.7億ドル(1,678億円)を確保する見通しだ。世界EV販売台数で中国のBYDに首位を明け渡すなかでも、収益は黒字を維持し、急激な失速は回避している。
収益性は「防戦」段階、エネルギー事業が下支え
もっとも、収益性の水準は依然として低い。売上総利益率は17.0%、営業利益率は4.3%と、過去の高収益体質からは距離がある。EV市場の価格競争激化を背景に、車両部門のマージンが圧迫されている構図が鮮明だ。四半期の自動車売上高は173億ドル(2兆7,138億円)と全体の約7割を占める。ただ、原価率の高止まりにより、収益の伸びは限定的だ。アナリストの間では、テスラが台数拡大よりも価格調整とコスト抑制を優先し、「量より守り」に転じているとの見方が広がっている。
一方、2026年通期では、営業利益率が5%台前半へと小幅に改善する予想が出ている。モデル3/Yを中心に出荷は170万台超と高水準を維持する見通しだが、価格競争が続く限り、かつての2桁マージンへの回復は見通しにくい。注目されるのが、エネルギー発電・蓄電事業だ。2025年10〜12月期の売上高は38億ドル(5,961億円)と、自動車に次ぐ柱に成長した。2026年には売上高178億ドル(2兆7,922億円)、蓄電容量65GWh超が見込まれ、収益分散の役割を強めている。
この事業は自動車よりも価格競争の影響を受けにくく、テスラの全体マージンを下支えする「緩衝材」となっている。EV単体では薄利構造に陥るなか、事業ポートフォリオの広がりが企業価値を支える構図だ。
フリーキャッシュフローは四半期で小幅ながら黒字を確保し、手元資金は約435億ドル(6兆8,238億円)に達する見通しだ。積極投資を続けながらも、財務余力は大きい。もっとも、市場の視線は厳しい。EV台数首位の座を失った今、テスラに求められるのは「どれだけ売れるか」よりも、「どれだけ稼げるか」だ。2025年の業績は、同社が成長企業から成熟企業へと移行する過程にあることを示している。価格競争下での収益確保と、エネルギー・ソフトウエア分野を含めた次の成長軸づくりが、真価を問われる局面に入った。(2026年1月23日)