上海汽車(SAIC)は4日、同社初の海上自動車運搬船(RORO船)が完成し2024年までに運用を開始する、と発表した。2026年までに新たに12隻の自動車運搬船を就航させ、強化する海外市場へ輸出増に対応する。
輸出増を見込み2026年までに12隻就航を計画
SAICの自動車運搬船は江南造船(集団)有限公司が建造し、8月29日に正式に進水した。LNGデュアルフューエル技術を用い低炭素環境保護にも対応した専用船で、7,600台の車両を収容できるという。来年からSAIC子会社の物流会社、安吉物流有限公司が欧州、オーストラリア、ニュージーランドへの海上航路で共用する計画だ。
また、SAICは2024年から、安吉物流有限公司が新たに12隻の外航車両運搬船を2026年までに就航させる計画も明らかにした。中国COSCO海運集団やWWLなどの国内外の自動車物流企業とも協力し、中国国産ブランドの海外輸出を支える考えだ。
SAICは中国車メーカートップの輸出実績を示しており、昨年の海外販売台数は前年比45.9%増の101万台超えを記録した。今年1~7月では、海外で63万台を販売。MGブランドとして、欧州市場では前年同期比148%増の13万5千台を販売し、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、スウェーデンでの中国ブランド車としてトップを維持している。また、オーストラリアでは1-7月の累計販売台数が3万5,000台となり、全体でもトップ10入りを果たした。
上海汽車安吉物流は、世界最大の自動車物流会社という。中国の600近い都市と100以上の国をカバーする物流ネットワークを展開し、東南アジアをはじめメキシコ、西南アメリカ、ヨーロッパを結ぶ7つの国際ルートを開設している。年間出荷能力は1000万台以上を誇る。