ベトナムの新興EVメーカー、ビンファストは22日、2023年の業績を発表した。売上高は28兆5,962億2,100万ドン(VND、1,744億3,600万円)で前年に比べ91%増とほぼ倍増した一方で、生産コストが膨らみ営業損失は40兆2,309億ドン(2,454億円)だった。最終損益は57兆1,762億1,200万ドン(3,487億7,489万円)の赤字だった。
2023年EV販売は3.7倍の3万4,855台
2023年新車販売台数は前年比3.7倍の3万4,855台だった。一方、電動スクーターは同21%増の7万2,468台で、第4四半期に前年同期比48%増の2万4,309台を販売したのが貢献した。こうした好調な新車販売で自動車部門の売上高は26兆1,790億2,800万ドン(1,596億9,200万円)となり、前年実績の2.1倍となった。期間中の営業費用のうち研究開発費は145億3,429万ドンで、前年に比べ27.1%減少した。「VF8」などEV4車種が商業生産に移行したのを反映した。一方、販管費は前年に比べ17%増え10兆7,908億ドンと増えた。海外市場での販路拡大によるものと説明している。
2024年はEV10万台販売めざす
同社のマダム・トゥイ・レー会長は「2023年はビンファストにとって初めてづくしの年だった。2024年に向けて強力な基盤を築けた」と述べ、2024年の新車販売で約3倍となる10万台をめざす考えを示した。2024年の通期業績見通しでは、EV販売で10万台を目指す一方で、生産コストをモデル発売2年以内に40%改善する方針を明らかにした。
同社は2023年12月にベトナムでコンパクトEV「VF7」を発売したほか、米国でのディーラーネットワークづくりを積極的に展開している。すでに、ニュヨーク州やテキサス州など5州で6ディーラーとの契約を締結し、「VF8」や「VF9」「VF6」「VF7」と商品ラインナップを揃え販売増につなげたい考えだ。また、インドでも5億ドルを投じ現地工場を立ち上げる。今月25日にも起工式を行う予定だ。(2024年2月22日)