BMWは1日、ライプツィヒ工場で「MINIカントリーマン」の電気自動車(BEV)モデル生産を始めた、と発表した。同工場では昨秋から始めた内燃エンジンモデルに追加する形で、これにより同工場での生産台数はこれまでより10万台多い年産35万台規模となる見込みだ。同社では、車両生産部門で最大900人増員する予定で、今年9月からは初の夜勤を導入し3交代制で24時間生産体制を整える計画だ。また、同BEVモデルの生産開始で、第5世代高電圧バッテリーの生産工程における「セル・コーティング」と「モジュール生産」、「バッテリー組み立て」の3段階すべてをライプツィヒ工場で取り組むことになる。
9月から3交代制で24時間生産に
ライプツィヒ工場での生産モデルは、「BMW 1シリーズ」、「BMW 2シリーズ・アクティブ・ツアラー(プラグイン・ハイブリッド・モデルを含む)」、「BMW 2シリーズ・グランクーペ」と「MINIカントリーマン(内燃エンジンモデル)」で、今回BEVモデルが加わる。同車「カントリーマンE」の出力は150 kW(204 hp)で電力消費量17.4 – 15.7 kWh/100 k。よりパワフルな全輪駆動の「カントリーマンSE ALL4」は230kW(313 hp)で電力消費量18.5 – 16.8 kWh/100 kmの2つのBEVモデルとなる。
16億ユーロ投じ生産体制を拡充
同社はライプツィヒ工場に約16億ユーロ(2,605億円)を投じ、2018年からボディショップと塗装工場、組立工場、ロジスティクスで増設とアップグレードを行っている。年間最大35万台の生産をめざしており、2024年中に同工場が生産する約800台のBMW車に加えて、生産台数をは1日あたり約500台増やす予定だ。このため、フレキシブルな組立構造を導入し異なるドライブ・ユニットを1つの同じラインで生産する。また、車両生産だけで最大900人の従業員を増やし2024年末までに約7,000人とする計画だ。これに合わせて、組立工程で今年9月にも初めての夜勤を開始し、3交代制で24時間生産をめざす方針だ。
高電圧バッテリー生産も
MINIカントリーマン・エレクトリックの生産開始で、第5世代高電圧バッテリーの生産工程すべてをライプツィヒ工場で行う。現在はセル・コーティング・ライン5本、モジュール生産ライン3本、高電圧バッテリー生産ライン2本が稼動している。BMWグループのバッテリー生産責任者であるマルクス・フォールベーマー氏は「今年からライプツィヒ工場は、社内の高電圧バッテリー生産工程のすべての段階を担うことになる」と話している。また、ライプツィヒ工場では他拠点で製造するBMW iX1、BMW iX2、BMW i4、BMW i5、BMW iX用のeコンポーネントも生産する予定だ。このため、以前はBMW i3とBMW i8に使用していたスペースを改造し、新たに敷地面積約6万1千平方㍍に年間最大30万個の高電圧バッテリーが生産できる2つのラインを設置した。(2024年3月1日)