タタ・モーターズは4日の取締役会で、商用車と乗用車の2つの領域で事業分割し上場会社のまま分社化すると決め、発表した。同社はこれまで電気自動車(BEV)を含む乗用車事業をカンパニー制で運営しており、今回の事業分割でブランドが異なる「ジャガー・ランドローバー(JLR)」を乗用車・BEV事業として事実上統合しSDVなどの次世代技術への対応力を高める考えだ。
カンパニー制から事業分割へ
タタ・モーターズは、①商用車事業関連と②乗用車・BEV・JLRの乗用車関連事業をそれぞれ新たな事業体として統合する。今後、インドの会社法審査機関「NCLT」の審判を経て2つの事業会社に分社化する。分割した新会社は引き続き上場し、タタの全株主がそのまま株式を保有する仕組みだ。完全な分社化には1年半から2年程度かかり2025年末になる見通しだ。
JLRを乗用車事業として事実上統合
タタはここ数年、商用車(CV)、乗用車(PV+EV)、ジャガー・ランドローバー(JLR)事業を明確化し、2021年からはカンパニー制によるそれぞれのCEOの下で独立運営してきた。今回、会社分割によりこうしたカンパニー制による運営体制を強化する狙いだ。とくに、PV、EV、JLRでは電動化や自動運転、SDVなど車両ソフトウェア分野で事業シナジーがあると判断した。
N.チャンドラセカラン会長は、「現在、3つの自動車事業部門は独立して運営され、安定した業績を上げている。今回の会社分割は、集中力と敏捷性を強化することで市場からもたらされる機会をよりうまく活用するのに役立つだろう」と話している。(2024年3月7日)