• 2024-11-14

加マグナ、自社株買いを前倒し実施へ。市場は好感

カナダの自動車部品メーカーのマグナ・インターナショナルは5日、今年第4四半期に当初予定よりも前倒しし自社株買いする、と発表した。トロント証券取引所(TSX)の承認を得て同社発行済み株式の約10%に相当する最大2,850万株の普通株式(新NCIB)を買い戻す可能性があるとした。

同社は今年2月に、普通株式30万株を上限に買い戻す計画(NCIB)を発表していた。同計画は来年2月14日に期限切れとなる予定で、同社はTSXの承認を得て、このNCIBはこの11月6日の取引終了時に終了することにした。同日時点でのマグナ株の加重平均価格70.56カナダドル(7,827円)で、旧NCIBに基づく普通株式9万8,636株を公開市場で購入していた。

同社では、新NCIBの主な目的として、消却のための購入とマグナの株式に基づく報酬またはプログラムの資金調達のための購入としている。新NCIBは今月月7日に開始し、来年11月6日までの1年間を期限に実施する。TSXにおけるNCIB期間中の1日あたりの購入株式数の上限は、NCIB前の6か月間の1日平均取引高の25%(TSXにおける普通株式81万1,850株)を基に定められた20万2,962株となる。ただし、同社は来年2月までの6か月間の1日平均取引高の25%を基に、同制限基準を再設定する可能性があるとしている。

同社は今月1日に第3四半期(7~9月)決算を発表。営業収入は前年同期比3.8%減の102億8千万カナダドル(1兆915億円)、EBITは同3.4%減の5億9,400万カナダドル(630億円)と実績割れを示した。北米や中国での小型車生産の減少が響いた格好。通期の業績見通しは422億カナダドル~432億カナダドルを見込んでいる。業績の伸び悩みにもかかわらず、自社株買いを前倒し実施することで株式市場は同社株を好感している。(2024年11月7日)