• 2025-10-08

メルセデス・ベンツ、第3四半期販売52万5,300台 電動車販売が前期比22%増 高級モデルが販売を牽引

メルセデス・ベンツ・グループは7日、2025年第3四半期(7〜9月)の世界販売台数が52万5,300台となり、前年同期比では減少したものの、高級車(トップエンド)セグメントと電動車が堅調に推移した。純電動車(BEV)とプラグインハイブリッド(PHEV)を合わせたxEV販売は9%増、前期比では22%増と伸長。新型電動CLAの納車開始が牽引した。

グループの販売は中国市場の環境や米国の関税回避を目的とした在庫調整の影響を受けたが、欧州、南米、湾岸諸国などでは堅調だった。メルセデス・ベンツ・カーズは44万1,500台を販売し、うちトップエンドモデルは前年同期比10%増の6万7,800台。GクラスとSクラスが特に好調で、Gクラスは31%増、Sクラスは前期比11%増を記録。販売全体に占めるトップエンド比率は15.4%に達した。

販売担当取締役のマティアス・ガイゼン氏は「欧州・南米・湾岸諸国では堅調な販売を維持し、中国市場でも高級セグメントでのシェアを維持した。電動CLAへの反響も大きく、EV販売は前期比22%増を達成した。新製品群が販売の新たな勢いを生み出している」と述べた。

地域別では、欧州が2%増(うちドイツ3%増)、スペイン5%増、ポーランド20%増と堅調。湾岸諸国では33%増、トルコ15%増、南米45%増と新興市場も伸びた。一方、中国は前年同期比11%減と依然厳しい環境が続くものの、100万元超の高級車セグメントでは13%増を確保した。

電動車では、BEVが前期比22%増の4万2,600台、PHEVが20%増と好調。CLAに続き、2026年初頭には新型電動GLC、続いて電動Cクラスの投入も控えており、電動化ポートフォリオの強化を進める。さらにGクラス・カブリオレの追加により、高級車セグメントの拡充も図る。

メルセデス・ベンツ・バンズは第3四半期に8万3,800台を販売。前年同期比では減少したが、電動バン(eVans)は前期比25%増と堅調で、欧州ではバン販売全体の14%を占めた。新たに導入した「Van Uptime Monitor」は車両状態をリアルタイムで可視化し、稼働率の最大化を支援するツールとして好評を得ている。

バンズ部門の販売責任者サグリー・サーディエン氏は「プレミアムな車両だけでなく、稼働効率を高めるデジタルツールを通じて顧客価値を高めていく」と述べた。年初来のバン販売は26万200台で、うち電動モデルは2万200台と前年同期比61%増。ドイツ市場では6%増と堅調で、商用中型モデル「Vito」は発売30周年を迎えた。(2025年10月7日)