• 2025-10-09

IVECO、ドイツ・ウルムに最新鋭テストコース~欧州2拠点で次世代商用車開発を加速~

イタリアの商用車大手イベコ・グループは7日、ドイツ南部ウルム市にあるテストコースを全面改修し、正式に稼働を始めたと発表した。2024年に再開したイタリア・トリノの試験施設に続くもので、欧州2拠点の更新により次世代商用車の開発・検証体制を大幅に強化する。

ウルム施設は1980年代後半の開設以来最大規模の刷新となる。総面積15万平方メートルの敷地に新たに1.6キロメートルのオーバルコースを整備し、急カーブ区間、制動・騒音・登坂性能を検証する専用レーンなどを設けた。電動車や水素燃料車など新動力車向けの試験環境を整え、開発初期段階から実走行に近い条件で性能を検証できる。

また、環境配慮も重視したという。既存アスファルトやコンクリートの再利用、地場資材の活用による輸送削減、現場施工の効率化などによりCO₂排出を低減した。雨水管理や防音対策も導入し、持続可能な試験運営を図る。

同社は昨年7月、トリノの試験場を約8カ月かけて改修。1975年開設の同施設には新舗装と安全システムを導入し、全長1.2キロのオーバルコースや8〜60%の勾配を備えた試験スロープを新設した。今回、ドイツのテストコースの全面改修で2拠点を整備したことで、イベコ・グループは商用車・バス・特装車など幅広い車種の性能評価と認証作業の強化につなげたい考えだ。(2025年10月8日)